洋裁用語辞典

フレアとは?Aラインとの違い・種類ときれいな広がりを作るコツ

フレアとは

フレア

ふれあ / flare

上の部分から裾に向かって、布がふんわりと広がるシルエットのこと。 スカートやワンピース、パンツ、袖などに取り入れると、動くたびに裾が揺れる軽やかな形になります。

もう少し詳しく

フレアとは、裾に向かって布の分量を増やし、広がりを持たせた形を指します。 英語の「flare」には、外側へ広がる、開くという意味があります。

洋服では、フレアスカート、フレアパンツ、フレアスリーブなどのように、 アイテム名やパーツ名と組み合わせて使われます。

型紙では、脇線を斜めに広げたり、ダーツの分量を裾へ移動させたり、 型紙を切り開いて分量を追加したりすることでフレアを作ります。 広げる位置と分量によって、控えめな広がりから、たっぷりと波打つような形まで調整できます。

フレアは、単に幅の広い洋服という意味ではありません。 上部は体に沿わせながら、途中または裾に向かって分量が増えていくことで、 特有の立体感と動きが生まれます。

ストレート 裾幅がほぼ一定 Aライン 直線的に広がる フレア 分量が多く、裾が揺れる 広がる分量が増えるほど、裾に波やドレープが生まれます

図:ストレート、Aライン、フレアのシルエットの違いを簡略化したイメージ

フレアとAラインの違い

フレアとAラインは、どちらも裾へ向かって広がるシルエットです。 そのため、同じ洋服を「Aライン」と「フレア」の両方で表現することもあります。

一般的にAラインは、アルファベットの「A」のように、 上から裾へ向かって直線的に広がる全体のシルエットを表します。

一方、フレアは裾に加えた分量や、そこから生まれる揺れ・波・広がりを表す言葉として使われます。 腰まわりはすっきりしていて、裾だけが大きく広がる形もフレアです。

Aライン 上から裾へ向かって、アルファベットの「A」のように広がる全体的なシルエット。 比較的すっきりした、直線的な広がりも含みます。
フレア 裾へ向かって分量を増やし、広がりや揺れを作った形。 広がり始める位置や、裾の分量はデザインによって変わります。

「Aライン」と「フレア」は完全に別の形ではなく、意味が重なることがあります。 初心者のうちは、Aラインは「洋服全体の形」、フレアは「裾へ加えられた広がりや分量」と考えると理解しやすいです。

フレアが使われる主なデザイン

フレアスカート

ウエストや腰まわりから、裾に向かって広がるスカートです。 歩いたときに裾が揺れやすく、やわらかく女性らしい印象になります。

広がりが控えめなものから、円に近い型紙を使った サーキュラースカートのように、たっぷり広がるものまであります。

フレアパンツ

膝や太ももの途中から裾に向かって広がるパンツです。 裾の広がりによって、脚のラインを長く見せたり、 コーディネートに動きを加えたりできます。

フレアスリーブ

袖口に向かって広がる袖のことです。 腕を動かすたびに袖口が揺れ、軽やかな印象になります。

肘や袖の途中から広がるもの、肩から袖口まで全体的に広がるものなど、 フレアが始まる位置によって見え方が変わります。

フレアワンピース・チュニック

身頃の途中や胸下、ウエスト、腰まわりから裾に向かって広がるデザインです。 体のラインを拾いにくく、動きやすさや体型カバーを目的として使われることもあります。

ペプラム・裾フレア

ウエストや身頃の裾に、短いフレア状のパーツを付けたデザインです。 腰まわりに立体感を加え、切り替え部分をデザインのアクセントにできます。

フレアの広がりを決めるポイント

フレアは、裾を広くすれば必ずきれいに見えるわけではありません。 生地やアイテムの用途に合わせて、広がる位置と分量を決めることが大切です。

広がり始める位置

ウエストから広げるのか、腰や膝、袖の途中から広げるのかによって、見え方が変わります。

裾まわりの分量

裾幅が大きいほど動きが出ますが、生地量や重さも増えます。

生地の厚さとハリ

ハリのある生地は形が外側へ広がり、やわらかい生地は下へ落ちて揺れやすくなります。

生地の落ち感

落ち感のある生地は広がりが体になじみ、縦方向に流れるようなシルエットになります。

丈とのバランス

同じフレア分量でも、短い丈と長い丈では広がり方や重さの見え方が変わります。

着用時の動きやすさ

スカートやパンツでは、歩幅や座ったときの分量も確認して設計します。

初心者が間違えやすいポイント

生地が固く、裾が横に張り出してしまう

たっぷりとしたフレアに、厚くて固い生地を使うと、 布の重なりやハリによって裾が横へ大きく張り出すことがあります。

やわらかく揺れるフレアを作りたい場合は、 薄手から普通地で、適度な落ち感のある生地が向いています。

裾の長さが部分的に変わってしまう

フレアの大きな型紙には、地の目に対して斜めになる部分が多く含まれます。 斜め方向は布が伸びやすいため、縫製中や着用時に一部だけ裾が下がることがあります。

特にサーキュラースカートなど、フレア分量の多い作品では、 縫い上げたあとに吊るして生地を落ち着かせ、 裾の高さをそろえてから仕上げるときれいです。

左右のフレア分量がそろわない

型紙の地の目がずれたり、左右のパーツを異なる向きで裁断したりすると、 左右で布の伸び方や落ち方が変わる場合があります。

型紙に書かれた地の目線を布の耳と平行に合わせ、 左右のパーツを正確に裁断しましょう。

柄の向きが裾で崩れる

ストライプやチェック、方向のある柄を使うと、 フレアの広がりに沿って柄が斜めに見えることがあります。

柄物を使う場合は、裁断前に完成したときの柄の向きを確認し、 必要に応じて中心や切り替え線で柄を合わせます。

フレアを増やしすぎて重くなる

フレア分量を増やすと、見た目の華やかさだけでなく、 使用する生地の量や裾まわりの重さも増えます。

丈の長いスカートやワンピースでは、 裾幅だけでなく生地の重さや、歩いたときの扱いやすさも考える必要があります。

プロの現場ではこう扱う

フレアをきれいに見せるために重要なのは、 「広げる分量」と「生地の性質」を一緒に考えることです。

KOTOBUKIsewingの一言

フレアの広がり方は、型紙だけではなく生地によって大きく変わります。

やわらかく揺れる形にしたいときは、薄手で落ち感のある生地。 形をはっきり見せたいときは、適度にハリのある生地を選びます。

また、裾の分量を脇線だけで大きく広げると、 横方向だけが張り出して見えることがあります。 複数の切り替え線やダーツ位置へ分散して広げると、 全体に均一で自然なフレアを作りやすくなります。

フレア分量の多い作品は、裾を仕上げる前に一度吊るし、 生地の斜め方向が伸びていないか確認してから裾線を整えましょう。

生地を購入する前に、手でつまんで垂らしてみると、 ハリや落ち感を確認できます。同じ型紙でも、生地によってフレアの見え方は大きく変わります。

フレアの裾は距離が長くなるため、三つ折り幅を広くしすぎると縫い代が余りやすくなります。 カーブが強い裾は、細い三つ折りや巻き縫いなど、デザインと生地に合った始末を選びます。

フレアが使われる主なアイテム

  • スカート
    腰まわりをすっきりさせながら、裾に向かって広がるシルエットを作ります。
  • ワンピース・チュニック
    身頃やウエストの途中から裾へ分量を加え、動きのある形にします。
  • パンツ
    膝や太ももの途中から裾を広げ、脚のラインにメリハリを作ります。
  • ブラウスの袖
    袖口に向かって広げることで、腕を動かしたときに軽やかに揺れる袖になります。
  • ペプラム
    ウエストや身頃の裾に短いフレアパーツを付け、立体感と装飾性を加えます。

あわせて知りたい洋裁用語

  • Aライン
    アルファベットの「A」のように、上から裾へ向かって広がるシルエットです。
  • ドレープ
    布が自然に垂れ下がることで生まれる、やわらかなひだや流れのことです。
  • バイアス
    布の縦地と横地に対して斜めの方向。フレアの裾では、この方向が伸びやすくなります。
  • ダーツ
    布の分量を縫い込み、体の丸みに沿った立体的な形を作る技法です。
  • ギャザー
    糸を引いて布を細かく寄せ、ふんわりとしたボリュームを作る技法です。
  • タック
    布を折りたたみ、ゆとりや立体感を作る技法です。

KOTOBUKIsewingについて

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「フレアの意味はわかったけれど、実際の洋服で広がり方を確認したい」と感じた方は、 フレアデザインを取り入れた作品の作り方もぜひご覧ください。

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袖にフレアを取り入れた、広がり方と動きが分かりやすい大人服の作り方をピックアップしました。

大人用フレアスリーブブラウスの作り方
大人服・型紙あり

フレアスリーブブラウスの作り方

袖口に向かって広がるフレアスリーブがデザインポイントのブラウスです。 腕を動かしたときに、フレア袖がどのように揺れるのかを実際の作品で確認できます。

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ドルマンフレアスリーブブラウスの作り方
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ドルマンフレアスリーブブラウスの作り方

身頃から続くドルマンスリーブに、たっぷりとしたフレアを組み合わせたブラウスです。 フレア分量の違いによる、袖の広がりと立体的なシルエットを確認できます。

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