洋裁用語辞典

裄丈とは?正しい測り方・袖丈との違いとサイズ選びを解説

裄丈とは

裄丈

ゆきたけ / sleeve length from center back

洋服の後ろ側にある首の付け根から、肩を通って袖口までを測った長さのこと。 シャツ、ブラウス、ジャケット、コートなどの袖の長さや、腕まわりのサイズ感を確認するために使われます。

裄丈とは?もう少し詳しく

裄丈とは、洋服の後ろ側にある首の付け根から、 肩先を通って袖口までを測った仕上がり寸法です。

一般的には、後ろ衿ぐりの中心にあるバックネックポイントを始点にし、 肩のラインを通って袖口の端までを測ります。

裄丈は、ワイシャツやブラウス、ジャケット、コートなど、 袖のある洋服のサイズ表で使われます。

特に、肩と袖の切り替え位置が分かりにくい ラグランスリーブやドルマンスリーブでは、 袖丈よりも裄丈の方が袖の長さを確認しやすくなります。

ただし、裄丈の測定位置やメジャーを通すラインは、 ブランドや型紙によって異なる場合があります。 サイズを比較するときは、測り方の説明も確認しましょう。

裄丈の測り方 裄丈 首の後ろ中心から肩を通って袖口まで 裄丈と袖丈 肩幅の約半分 袖丈 裄丈 セットイン袖では 肩幅÷2+袖丈が目安 肩線のない服や特殊なデザインでは、単純な足し算ができない場合があります

図:後ろ衿ぐりの中心から肩を通り、袖口までを測った長さが裄丈です

裄丈と袖丈・肩幅・着丈の違い

裄丈と袖丈は、どちらも袖口までの長さに関係しますが、 測り始める位置が異なります。

裄丈 後ろ衿ぐりの中心から、肩を通って袖口までを測った長さです。 肩部分と袖部分を合わせた寸法になります。
袖丈 肩先から袖口までを測った、袖部分の長さです。 肩と袖の切り替え位置がある服で使われます。
肩幅 左右の肩先を結んだ長さです。 セットインスリーブでは、肩幅の約半分が裄丈の肩部分にあたります。
着丈 後ろ衿ぐりの中心から裾までを測った、身頃の縦方向の長さです。 裄丈と始点は近いですが、測る方向が異なります。

例:肩幅40cm、袖丈58cmの服の場合

肩幅40cm ÷ 2 + 袖丈58cm = 裄丈約78cm

肩と袖の切り替え位置が一般的なセットインスリーブでは、 「肩幅の半分+袖丈」が裄丈のおおよその目安になります。

ドロップショルダー、ラグランスリーブ、ドルマンスリーブ、 肩線の位置が移動しているデザインでは、 肩幅の半分と袖丈を足しても正しい裄丈にならない場合があります。 商品や型紙に記載された完成寸法を優先してください。

裄丈が使われるのはどんな服?

裄丈は、肩先の位置が分かりやすい服だけでなく、 肩と袖の境目がない服の袖の長さも表せる寸法です。

ワイシャツ・ブラウス

首まわりと裄丈を基準に、袖口が手首へ合うか確認するために使われます。

ジャケット・コート

肩から袖口までを含めた長さを確認し、重ね着したときの袖位置を見ます。

ラグランスリーブ

衿ぐりから袖下へ斜めの切り替えがあり、一般的な肩先がないため裄丈で表します。

ドルマンスリーブ

身頃と袖が続いた形で、肩幅と袖丈を分けにくいため裄丈が適しています。

ドロップショルダー

肩線が身体の肩先より外側にあるため、袖丈だけでは腕全体の長さを判断しにくくなります。

フレンチスリーブ

身頃から続く短い袖も、首の後ろ中心から袖端までを裄丈として表せます。

同じ裄丈でも、袖口のゴム、カフス、ドロップショルダーの分量などによって、 実際に着たときの袖の見え方は変わります。

洋服の裄丈を正しく測る方法

  1. 服を平らな場所へ置く
    テーブルや床など、水平で十分な広さがある場所へ、後ろ側を上にして置きます。
  2. 袖を自然な形に広げる
    生地を強く引っ張らず、肩から袖口までのラインを整えます。
  3. 後ろ衿ぐりの中心を確認する
    首の付け根にあたるバックネックポイントへメジャーの始点を合わせます。
  4. 肩先まで測る
    メジャーを肩のラインに沿わせ、肩先または袖へつながる位置まで伸ばします。
  5. そのまま袖口まで測る
    肩から袖の上側を通り、袖口の端までメジャーを伸ばします。
  6. 左右差や測定方法を確認する
    必要に応じて左右を測り、サイズ表の測り方と同じか確認します。
KOTOBUKIsewingの一言

自分に合う裄丈を知りたいときは、着心地が良い手持ちの服を測る方法が確実です。

長袖ブラウスなら長袖ブラウス、 ドルマンスリーブなら似た形のドルマンスリーブというように、 同じ袖の形の服と比較しましょう。

肩線の位置や袖口の仕様が異なる服は、 同じ裄丈でも着用感が変わります。

身体の裄丈を測る方法

既製服のサイズ選びや型紙の確認では、 身体の裄丈を測っておくと比較しやすくなります。

  1. 自然な姿勢で立つ
    肩に力を入れず、腕を身体の横へ自然に下ろします。
  2. 首の後ろ中心へメジャーを合わせる
    首を前へ倒したときに出る骨の少し上、首の付け根付近を始点にします。
  3. 肩先まで測る
    メジャーを肩の丸みに沿わせ、肩先まで通します。
  4. ひじを軽く曲げる
    日常の動きに必要な長さを含めるため、腕を強く伸ばし切らないようにします。
  5. 手首付近まで測る
    肩先からひじを通り、希望する袖口の位置までメジャーを伸ばします。
身体の裄丈は、姿勢や腕の曲げ方によって数値が変わりやすい寸法です。 一人で無理に測らず、できれば別の人に測ってもらいましょう。

自分に合う裄丈の選び方

裄丈には、すべての服に共通する一律の正解はありません。 袖のデザイン、袖口の仕様、着方によって必要な長さが変わります。

手持ちの服と比較する

袖の長さがちょうど良い服を測り、型紙や商品サイズと比べます。

袖口の位置を見る

手首を見せたいのか、手首の骨を覆いたいのかで適した長さが変わります。

腕を曲げて確認する

腕を前へ伸ばしたときに、袖口が大きく上がりすぎないか確認します。

重ね着を考える

コートやジャケットは、中に着る服の厚みで袖の位置が変わることがあります。

袖口の仕様を見る

ゴム、カフス、リブなどがある袖は、裄丈が長めでも手首で止まる場合があります。

肩のデザインを見る

ドロップショルダーやドルマン袖は、数字だけでなく全体の形も確認します。

裄丈が長い・短いとどうなる?

裄丈が短い 袖口が手首より上へ上がりやすくなります。 腕を前へ出したときに、背中や肩が引っ張られる場合があります。
裄丈が長い 袖口が手の甲へかかり、袖がたるみやすくなります。 カフスやゴムがある袖では、袖部分にボリュームがたまります。
肩まわりが窮屈 裄丈の数字が足りていても、肩幅や袖ぐりが小さいと、 腕を動かしたときに袖口が引き上がることがあります。
肩が落ちる ドロップショルダーでは、肩線が外側へ移動した分、 袖丈が短くても裄丈は十分な長さになる場合があります。

袖口がゴム仕様のデザインでは、 裄丈が長くても手首やひじ下で止まり、 袖にふくらみを作る設計になっていることがあります。

アイテム別に裄丈を確認するときのポイント

シャツ・ブラウス 腕を自然に下ろしたときの袖口位置と、 腕を曲げたときに袖が上がりすぎないかを確認します。
ジャケット 中に着るシャツとの重なりを見ます。 袖口からシャツを見せる着方では、両方の袖寸法を比較します。
コート ニットなどを重ねた状態で肩や腕を動かせるか、 袖口が手を覆いすぎないかを確認します。
ラグラン袖 肩先の基準がないため、裄丈と身幅、 袖下のゆとりをあわせて確認します。
ドルマン袖 身頃と袖が続いているため、 裄丈だけでなく袖口の位置と身幅のバランスも見ます。
半袖・フレンチ袖 裄丈は短くなりますが、 二の腕のどの位置まで覆うかを比較する指標になります。

型紙で裄丈を確認するときのポイント

ハンドメイド用の型紙では、 サイズ表に完成後の裄丈が記載されている場合があります。

記載がない場合は、 後ろ身頃と袖の出来上がり線を測って確認します。

  • 縫い代を含めず測る
    型紙の外周ではなく、縫い上がったときの出来上がり線を基準にします。
  • 後ろ衿ぐりの中心から測る
    バックネックポイントから肩、袖口へ向かうラインを確認します。
  • 肩線と袖山の縫い合わせ分を考える
    身頃と袖が別パーツの場合は、縫い合わせ後の位置関係で寸法を確認します。
  • カフスや袖口布を確認する
    袖本体の型紙だけでなく、完成後に付くカフスやリブの長さも含めて考えます。
  • ドルマン・ラグランは形に沿って測る
    肩幅と袖丈へ単純に分けず、型紙やサイズ表に指定された測定線を使います。
  • 完成寸法を優先する
    型紙販売者が完成裄丈を記載している場合は、その数値を基準にします。
型紙調整のポイント

裄丈を変えるときは、袖口だけでなく袖全体の形を確認しましょう。

セットインスリーブでは、 袖丈の調整線で平行に伸ばす、または短くする方法が基本です。

ラグランスリーブやドルマンスリーブは、 衿ぐり、肩、袖口が連続した形になっているため、 変更する位置によってシルエットや袖幅が変わる場合があります。

裄丈の測定・サイズ選びで起こりやすい失敗

首の後ろ中心ではなく肩から測る

肩先から袖口までを測ると、 裄丈ではなく袖丈になります。

対策:後ろ衿ぐりの中心を始点にします。

メジャーを直線で横切らせる

首の後ろから袖口までを空中で直線に測ると、 肩の丸みを通る実際の長さより短くなる場合があります。

対策:肩と袖のラインに沿わせて測ります。

袖を引っ張りながら測る

ニットやバイアス方向に伸びる服は、 引っ張ると実際より長い数値になります。

対策:しわだけを自然に整え、生地へ力をかけずに測ります。

袖丈と裄丈を同じ数値として比べる

測定の始点が違うため、 袖丈と裄丈をそのまま比較することはできません。

対策:サイズ表の項目名と測定方法を確認します。

肩幅の半分と袖丈を必ず足す

肩線のない服やドロップショルダーでは、 単純な計算が当てはまらない場合があります。

対策:実際の服を測るか、型紙の完成裄丈を確認します。

裄丈だけでサイズを決める

肩幅、身幅、袖ぐり、袖幅が合っていないと、 裄丈が十分でも腕を動かしにくい場合があります。

対策:裄丈とあわせて、上半身全体の完成寸法を確認します。

プロの現場ではこう考える

裄丈は、袖口の位置だけでなく、 肩の設計と袖のシルエットを含めて考える寸法です。

KOTOBUKIsewingの一言

同じ裄丈でも、肩線の位置によって見え方と着心地は変わります。

セットインスリーブでは肩先が合っているか、 ドロップショルダーでは肩線がどこまで落ちるか、 ドルマンスリーブでは身幅から袖口までの流れが自然かを確認します。

袖口にゴムやカフスが付くデザインでは、 裄丈を長めにして、袖にふくらみを作ることもあります。

型紙や洋服を選ぶときは、 裄丈の数字だけでなく、肩、袖幅、袖口の仕様まで確認しましょう。

左右の肩の高さや腕の長さに差がある場合は、 完成後の袖口位置にも左右差が出ることがあります。 身体に合わせて作る場合は、左右を確認して必要に応じて補正します。

裄丈についてよくある質問

裄丈とは、どこからどこまでですか?

一般的には、洋服の後ろ衿ぐりの中心から、 肩を通って袖口までを測った長さです。

裄丈と袖丈は同じですか?

同じではありません。 袖丈は肩先から袖口まで、裄丈は後ろの首の付け根から肩を通って袖口までを測ります。

裄丈は「肩幅÷2+袖丈」で計算できますか?

一般的なセットインスリーブでは、おおよその目安になります。 ラグラン袖、ドルマン袖、ドロップショルダーなどでは当てはまらない場合があります。

ラグランスリーブの裄丈はどこを測りますか?

後ろ衿ぐりの中心から、肩にあたる部分を通って袖口までを測ります。 商品や型紙に測定線の指定がある場合は、その方法を優先してください。

裄丈が長いときは、どこを直せばよいですか?

セットインスリーブでは、基本的に袖の丈調整線で短くします。 肩幅が大きいことが原因の場合や、ドルマン・ラグラン袖では調整方法が異なります。

半袖にも裄丈はありますか?

あります。 後ろ衿ぐりの中心から肩を通り、半袖やフレンチスリーブの袖端までを測った長さを裄丈として表せます。

あわせて知りたい洋裁用語

  • 袖丈
    肩先から袖口までを測った、袖部分の長さです。
  • 肩幅
    左右の肩先を結んだ長さ。セットインスリーブの裄丈と関係する寸法です。
  • 着丈
    後ろ衿ぐりの中心から裾までを測った、身頃の縦方向の長さです。
  • 身幅
    洋服を平らに置き、左右の脇下を直線で結んで測る横幅です。
  • 袖ぐり・アームホール
    身頃の腕を通す開口部。裄丈とあわせて肩や腕の動きやすさに影響します。
  • ラグランスリーブ
    衿ぐりから脇へ斜めの切り替え線が入り、肩と袖が一体になった袖の形です。
  • ドルマンスリーブ
    身頃と袖がつながった、袖ぐりが深くゆったりした袖の形です。
  • 合印(ノッチ)
    身頃と袖などのパーツを、正しい位置で縫い合わせるための目印です。

KOTOBUKIsewingについて

現役パターンナーが、初心者にもわかりやすい洋服作りを紹介しています

KOTOBUKIsewingは、業界歴15年以上の現役アパレルパターンナーが運営する ソーイングメディアです。

大人服、子ども服、バッグや小物などの作り方を、 写真、動画、型紙とともに初心者にもわかりやすく紹介しています。

作品ページには裄丈、着丈、身幅などの完成サイズも掲載しています。 手持ちの服と比較しながら、自分に合う袖の長さやシルエットを選べます。

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裄丈を比較できるおすすめのブラウス

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裄丈76.5cmから80cmのボリュームスリーブブラウス
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身頃から袖が続き、肩と袖の境目がないドルマンスリーブです。 袖丈では表しにくいデザインを、裄丈で確認する例として分かりやすい作品です。

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